
測温抵抗体の原理
温度の変化により金属の抵抗は一定の割合で変化します。この原理を利用したものが測温抵抗体です。原理的にはどの金属でもいいのですが、温度に対する抵抗変化が一定で、変化率が大きいことから一般的には白金(Pt)が用いられます。それ以外に使用される金属としてはニッケル、銅などがあります。測定方法は金属抵抗に一定の電流(一般には1mA)を流し測定器で電圧を測定し、オームの法則E=IRから抵抗値に換算し、温度を導き出します。
よく使用されるのは配線抵抗の影響を受けない3線式です。

測温抵抗体の種類
規定による種類
測温抵抗体で標準的に使用されるのはPt100Ω、JPt100Ωの2種類です。Pt100Ωは現行のJIS規格(JIS-C1604-1997、IEC規格と統一されたもの)、JPt100Ωは統一前のJIS規格で作られたものです。
規定電流による種類
測温抵抗体に流す電流のことを規定電流といいます。0.5mA/1mA/2mAの3種があり、1mAのものがよく使われています。
規定電流は測定器の仕様に合わせて選択してください。異なる規定電流のものを使用すると、電流を流しているために発生する抵抗の発熱量が変わり測温抵抗体の精度を満たさなくなります。
設置上の注意
挿入深さ
測温接点部が測温対象と同じ温度になるように設置しなければ正確な測温はできません。シースタイプ、保護管をつけた場合おおよそ、その径の15倍程度は挿入する必要があります。
延長
延長は3線とも同じ径、材質、長さの銅線(熱電対と異なり通常の配線材で可)を用いてください。長さが異なると配線抵抗の補正がうまく行かず値に誤差を生じることがありますので注意ください。配線長は測定器の入力信号源抵抗値以下となる長さで、使用ください。
熱電対と測温抵抗体の選び方
熱電対と測温抵抗体の特長を表にまとめます。
| 特長 | 熱電対 | 測温抵抗体 | 解説 |
|---|---|---|---|
| コスト | ○ | × | 測温抵抗体は熱電対に比べ、数倍~数十倍高価になります |
| 精度 | × | ○ | 測温抵抗体は感度が熱電対に比べ大きく、原理上基準接点が不要なため、 特に常温付近では精度が良くなります |
| 応答性 | ○ | × | 熱電対の方が構造上細く制作できるため、応答性を速くすることが可能です |
| 測定温度範囲 | ○ | × | 熱電対は種類によっては2000℃以上まで測れます 測温抵抗体は600℃まで(工場用、JIS)です |
| 耐振動・衝撃 | ○ | × | 熱電対は単純な構造であるのに比べ、測温抵抗体は素子内部の抵抗線に 細い線が使用されるため、振動や衝撃に弱くなっています |
一般的に、工業用で広く使われているのは、比較的安価で使いやすい熱電対になります。
研究用途などで、高精度計測を行なう場合に測温抵抗体が選択されることが多くなります。


